2011.10. 木崎浜クリーンビーチ カップ レポート of JPBA - 日本プロボディボード連盟

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2011 JPBA TOUR FINAL
"木崎浜クリーンビーチ カップ" 

南国宮崎、スモールコンディションながら最終戦に相応しい数々のドラマ。

10周年の最後を飾る2011年度ツアー最終戦

JSTCをスタートしたのは今から10年も前の事になってしまった。そう、今年はJSTCから数えて10周年(JPBAとしては5周年)の記念の一年となる。その記念すべき一年の最終戦は数々のドラマを生んで来た南国宮崎で開催された。毎年多くのギャラリーとともに最高の大会を開催させていただいている木崎浜クリーンビーチカップ。今年も間違いなく10周年に相応しいドラマが起こるのは必至だった。

大会には3つの見所が

今回の大会には2つの見所があった。いや、正しくは3つだっただろう。一つはもちろんこのイベントを誰が制するのか?ということ。そして2つ目は勝敗の結果を受けて決定される今シーズンのグランドチャンピオンが誰かと言う事。参加ボディボーダーはそのグランドチャンピオンを目指しているのは言うまでもない。そして今年は3つ目の見所が用意された。それは先に発表になったISAのWorld Bodyboards Games。昨年残念ながら開催が無くなってしまった世界戦が今年はボディボードだけで開催されることになったのだ。そして例年はNSA(日本サーフィン連盟)からのみが参加していたこのISA世界戦に、今年はJPBAから3名の選手が出場出来ることになっていた。その3名とはDKカテゴリ1名、メンズプローンクラスに2名の合計3名となる。そしてその選手選出は本年度のランキングに従うというインフォメーションが大会前にコールされていた。

スモールサイズでのコンテスト

前日までかなり小さいブレイクで開催を危ぶむ声もあった木崎浜ポイント。しかし当日を迎えると波は若干のサイズアップ。無事にコンテストをスタートする事となった。開会式にはこの宮崎大会ではすっかりお馴染みとなった歓迎のフラが披露された。「はだしフラ」のメンバーにはボディボーダーも在籍している。そしていよいよ7時半よりウィメンズクラスラウンド1から最終戦がスタート。

ドロップニークラス

今年全戦設定されながらも人数枠が大幅に縮小されたドロップニークラス。しかしISA世界戦の出場が掛かったことで、見所が大きく拡大した。昨年のグランドチャンピオンで今年は鴨川のみ出場していた山田幸久プロも最終戦には出場。そしてその山田幸久プロを抑えて初戦のマックスアンドアレックスカップで初優勝を飾った川名祐介が慣れ親しんだ木崎浜で迎え撃つ形。さらには今回近藤義忠プロもエントリーしたことで、どの選手が勝つのか分からない展開となる。ラウンド1は第一ヒートで山田幸久プロが1位通過、2位に川名祐介プロが続き、第2ヒートでは近藤義忠プロが1位で通過、プローンクラスとだぶるエントリーの糸久勇プロと合わせた4名がファイナルへコマを進めた。

2ポイントで開催のウィメンズラウンド2

トライアル的な存在のラウンド1から勝ち上がった選手を含め9ヒートで戦われたウィメンズクラスラウンド2。このラウンドの見所は昨年のルーキープロがこのラウンドにクレジットされていると言う事。今回も昨年のグランドチャンピオン畠山美南海プロは第2ヒートで登場。昨年のグランドチャンピオンの力をまざまざと見せつけ合計得点15.00ptを叩き出し、同じチームメイトの大原沙莉プロと共に勝ち上がる。第5ヒートでは今年好調の汐月麻子プロに続いて地元アマの芳野佳奈アマがランドアップ。第7ヒートでは新島で入賞した大川祐子プロと四国から参戦の野納香里プロ、第8ヒートでは地元で活躍中の大月啓子プロ、関東から参戦の岸里美プロ、最終第9ヒートでは若手プロの鈴木彩加プロと地元宮崎から参戦の田口美加プロがラウンドアップを果たした。

トップシード登場ーウィメンズラウンド3

メンズラウンド1を挟んでスタートしたのはウィメンズラウンド3、ここでは今年のトップシードが登場となる。ヒート1では昨年絶好調な姿を見せていた佐藤晃子プロがまさかの4位敗退。接戦ヒートを制してラウンドアップを果たしたのは地元宮崎の渡辺萌プロと植田彩花アマ。ヒート2ではIBAツアーでも結果を残している奥山千晶プロが1位。その他のヒートでもトップシードは安泰な結果となった。畠山美南海プロ、大原沙莉プロ、鈴木彩花プロの若手プロも順当にラウンドアップとなった。

メンズラウンド2

メンズクラスはラウンド2が6ヒートで戦われた。先陣をきって地元の池田雄一プロが1位でラウンドアップ。今年ルーキープロの柴田雅光プロも2位で続く。第2ヒートではNSAからの枠でISA世界戦出場を決めている粂総一郎アマが元気なライディングを見せて1位通過。第3ヒートでは宮崎から出場の川越太一プロが、第5ヒートでは加治賢和プロがそれぞれ1位で通過する。最終ヒートでは今年再度好調な姿を見せる清野浩之プロが地元トップアマの矢野晋平アマを2位で従えてのラウンドアップ。

鬼門となったラウンドーウィメンズクォーターファイナル

人数枠が小さい事でラウンドが上がるとグッと内容が濃い対戦となる今年のツアー。ウィメンズクラスのクォーターファイナルはまさにその鬼門となるラウンド。ここを勝ち上がれば次は3人ヒートのセミファイナルと言う事で、どの選手も全力で臨む戦い。その中で力を見せたのはヒート1に登場の大原沙莉プロ。このところ浅いラウンドで敗退する事が多かった鬱憤を果たすべく力強いライディングを披露。合計得点12.67ptとこのラウンドトップの合計点で1位通過。2位には地元渡辺萌プロが続く。
第2ヒートは混戦。昨年のグランドチャンプ畠山美南海プロ、昨年のディフェンディングチャンピオン井上美彌プロ、そして今年絶好調の刀根真由美プロに対しここまで順調な戦いを見せた植田彩花アマが挑む形。そして井上美彌プロが本来のダイナミックな勢いを取り戻して1位通過。2位には刀根真由美プロが続く。良い波を掴めず終わった畠山美南海プロは3位敗退でグラチャン争いは以後の結果を見守るしか無くなってしまった。最終ヒートは奥山千晶プロ、永井那旺プロ、鈴木彩加プロ、高瀬ひろみプロの戦い。大きな1本の出ないヒートの中で最高得点5.17ptを出した鈴木彩加プロが1位でセミファイナルへ。僅差では女子大生プロの永井那旺プロがラウンドアップした。

メンズクォーターファイナル

メンズクラスはクォーターファイナルがトップシードラウンドとなる。四天王がトップシードを飾ったが第2ヒートにクレジットされていた榎戸輝プロが欠場。これがグランドチャンプ争いにどう響くのか?
さすがは四天王。ヒート1の近藤義忠プロ、ヒート3の榎戸崇人プロ、第4ヒートの京谷雄策プロともに危なげなく1位通過。2位に続いたのは地元池田雄一プロ、佐藤哲弥プロ、粂総一郎アマ、糸久勇プロ。惜しくも加治賢和プロ、川越太一プロ、ここまで頑張った矢野晋平アマの地元勢がここで敗退となった。

勢いが勝敗を分けるーセミファイナル

恒例の心肺蘇生講習を終えて1ポイントでの運営で消化されたセミファイナル。いよいよポイントコールが使用され駆け引きが激化する。

まずはウィメンズセミファイナル。ヒート1では大原沙莉プロ、刀根真由美プロ、鈴木彩加プロの戦い。ベスト2ウェイブということで1本の軸が欲しいが、波は小さくなかなか大技やコンビネーションが出ない。ソンン穴か大原沙莉プロが5本目のライディングで6.25ptをマーク。2本目の5.00ptと合わせて11.25ptと勝負を決める。2位でファイナルへ進んだのは5.50pt、4.70ptと安定した得点をマークした刀根真由美プロ。今年の刀根プロは強い!

ヒート2は地元の期待がかかる渡辺萌プロ、本来の勢いを取り戻した井上美彌プロ、そして永井那旺プロの対戦。ここで強さを見せたのは賞金が掛かる試合では本当に強さを見せる井上美彌プロ。6.50ptと4.50ptの合計11.00ptで1位通過。そして2位に地元渡辺萌プロが続いてファイナリストが決定した。

続いてメンズファイナル。

今回はセミファイナルで四天王のうち欠場の榎戸輝プロを除いた3人が全て1位通過したのでヒートが分かれての対戦。ヒート1では近藤義忠プロと榎戸崇人プロに佐藤哲弥プロ、糸久勇プロが臨む戦いだが、やはり圧倒的な強さで近藤、榎戸の2名がファイナルへ。
ヒート2は波乱。京谷雄策プロが乗らない!果てしなく自分の波を待ち続ける京谷プロを他所に、地元の池田雄一プロ、柴田雅光プロ、粂総一郎アマが得点を重ねる。京谷プロは1本だけライドして6.00ptのままカウントダウン。虚しく鳴り響くホーンの中2本目の波で最高のパフォーマンスを見せたが時すでに遅し。粂総一郎アマ、池田雄一プロがファイナルへと進んだ。

ファイナル

とうとうファイナル。

はじめにドロップニークラス。ISA世界戦を掛けての戦いとなるが選出はこの時点ですでに川名祐介プロに決定していた。残る戦いはこのイベントの優勝、グラチャンを確定した川名プロも果敢に攻めるが、小波では抜群の強さを見せる昨年のグランドチャンプ山田幸久プロも攻める。しかしいつものライディングが出ない。波が悪いのか調子が悪いのか?後半は焦りも見て取れるライディングの数々。
そんな中良い波を掴んで行ったのは今回ダブルエントリーで出場の近藤義忠プロ。前半はアクションの入らないライディングが続いていたが、後半は確実に得点を出すライディングに修正して来た。そしてグーフィーの良い波をゲットし前から来るリップに当て込むこのヒート一番のライディングに7.88ptの得点がコールされる。本人も戸惑うハイポイントだったがこれで勝負を決めて合計得点11.23ptで堂々の優勝。2位には山田幸久プロ、3位にグランドチャンプを決めた川名祐介プロ、4位に糸久勇プロという結果となった。

続いてウィメンズクラスファイナル。

ウィメンズファイナルには世界戦の出場は関係ない訳だが最高に盛り上がった。なぜならここまでの最新のポイント獲得状況で、畠山美南海プロがクォーターファイナルで敗退した事で、グランドチャンプ争いが今までにない接戦となっていたのだ。対戦は大原沙莉プロ、渡辺萌プロ、刀根真由美プロ、そして井上美彌プロ。この中で刀根真由美プロ、井上美彌プロのどちらかが勝てばポイント逆転でグランドチャンプを獲得出来る事が判明したのだった。ヒートは一気にヒートアップ。勝ったらグラチャン。この状況はこの10年の歴史の中でもまれに見る接戦だった。
ライディングが追加されるごとに順位は入れ替わり、観客からは大きな歓声が上がる。MC亮一の喉もかすれながらの絶叫MCが続いていく。最初のライディングで6.0ptを出した刀根真由美プロが優位にヒートを進めるが大原沙莉プロ、井上美彌プロも5点台のライディングで必至に食い下がる。終盤はポイントを伸ばした大原沙莉プロが優位に。そのまま逃げ切るかと思ったラスト。ゼッケンイエローの刀根真由美プロがテイクオフ。この緊張感の中でも深いレールワークで加速するターンからのエルロロを繰り出し6.50pt!!大きな完成が会場を包み込む中、刀根真由美プロの優勝がコールされる。同時に2011年度のグランドチャンプを獲得!仲間が彼女に駆け寄り担ぎ上げ、涙を流しながら両手を空高く広げた。
2位には最後のイベントで今年の鬱憤をはらし自分らしいライディングを見せた大原沙莉プロ、3位には地元の期待を背負い久しぶりのファイナルを楽しんだ渡辺萌プロ、「作戦負け」と清々しい笑顔を見せた井上美彌プロが4位となった。

最後はメンズファイナル。

セミファイナルで京谷雄策プロが敗退した事で、池田雄一プロ、粂総一郎アマがここまで全勝している榎戸崇人プロ、DKクラス優勝で勢いのある近藤義忠プロと戦う事となった。ヒートが始まると近藤義忠プロが6.50ptのライディング。榎戸崇人プロは5.75ptであとに続く。波が小さい事で確実に得点の出るアウトからインサイドまで繋げる波を選んで行く作戦なのだが、その波選択がとても難しい。気まぐれな波に苦戦しながらも中盤は接戦が続く。テイクオフしリップアクションが入らないまま波が終わる。そんな2点台のライディングも見られる中、数少ないセットの取り合いも激化。
近藤義忠プロが3本目に5.80ptをマークし得点を伸ばすが、ここでもいいところはやっぱり榎戸崇人プロが持って行く。アウトからインサイドまでを繋ぐセクションではほぼ波がない瞬間もあるにも関わらず、水面を叩くビーディグでインサイドまで繋いでくる。これには会場からも大きな歓声が上がる。インサイドのショアブレイクで力強いエルロロをメイクしコールされたポイントは6.75pt!これで勝負を決めて優勝。3戦全戦を優勝の文句なしのグランドチャンピオン。ヒート終了に向けたカウントダウンで両コブシを大きく高く突き上げた。2位には最後まで熱い攻めを見せた近藤義忠プロ、3位には今年も大きな成長を見せた粂総一郎アマ、4位には地元を背負って最後まで戦った池田雄一プロ。

ファイナル終了と同時にISA世界戦の切符は優勝の榎戸崇人プロと2位の近藤義忠プロが獲得となった。


こうして10周年の2011年ツアー全てのヒートが終了した。

ご挨拶

10周年の締めくくりにまたも素晴らしい大会を開催出来嬉しく思っております。一年間この大会の為にご尽力頂いた宮崎県サーフィン連盟の皆様、そして宮崎の偉大なるお父さんである緒方さん様。ありがとうございました!


一言に10年間といっても、実際にはいろいろな事がありました。しかし、こうして10年を振り返ってみると本当にあっという間の10年間でした。
今考えればスタート当初は機材も知識もなく、勢いだけでスタートした僕らのコンテストだったと思います。しかしこの活動に賛同し、多くの協賛企業様が温かく支えていただいいた結果、この10年間を無事に終了する事が出来ました。このご恩には言葉では感謝しきれません。
そして不慣れで沢山のご迷惑を掛けながらも、快く協力をしていただきました各開催地の関係者の皆様。そして一緒にこの10年を選手として盛上げてくれた参加選手の皆様、最後に全てのJPBAファンの皆様に対しても、運営スタッフを代表しまして心からのお礼を伝えたい。

本当にありがとうございました!!!!!!!!!!

日本プロボディボード連盟
理事長 岩波重之



写真:藤野 敬

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